だましを見破る:基礎編(1)

さて、今回の講義では、だましを見破る基本的な考え方について、基礎編として5回に分けて解説します。それぞれ原則となる考え方を示し、それをどのように使うのかをご紹介します。

今回ご紹介する基本原則は、人の行動の根本に着目する原則となります。

基本原則1.人は自分の利益で動く

つまり、「人は自分の利益で動く。あなたの利益ではない。だから、常に相手の行動の意図を考えること。」です。これは、次回以降にご紹介する基本原則を利用する際も、常に意識すべき考え方になります。

 

以前ご紹介した記事(あなたも投資でだまされる)では、詐欺案件を見破る簡単な方法として、「売り込みに来る投資案件は全て詐欺。」をご紹介しました。

これは、この原則から導かれる「売り込みに来る人は、自分に利益があるから売り込みに来る。あなたの利益ではない。」という考えが基礎となります。

あなたが人に投資案件を勧められたならば、なぜその人がその案件を勧めるのか、勧める人にどのような利益があるのか、その目的の本質を考えることです。そうすることで、勧められている案件をより客観的に見ることが出来るようになります。

そうすると、勧められる投資案件は、勧める人のメリットは確約されているが、あなたへのメリットがあるかどうかは不明なことが多いです。むしろ、損するだけの詐欺のようなケースがほとんどです。

ただ、心優しいあなたはこう思うかもしれません。「確かに勧める人が食べていく以上、勧めることにメリットがあるのは当然。そのことと、勧められる案件の内容の良し悪しは無関係では?」

非常に良い着眼点です。売り込まれる案件が詐欺かどうかを見抜く方法は、「無理強いの有無」です。本当にあなたの利益を考えて投資案件を勧めている人ならば、あなたが断れば無理強いはしません。なぜなら、あなたの利益を考えるならば、あなたの意志をなによりも尊重するからです。

しかし、無理強いをするのは、自分の利益のみを考えているからです。あなたが損をしようがお構いなしです。特に、「あなたのことを思って…。」など「善意のアドバイス」の衣を被った強要には注意が必要です。無理強いをしてまで勧めてくるのは、よほど勧める人に利益があると考えるべきです。

ここで、基本原則1に詐欺を見破る方法を追加します。

基本原則1+α.人は自分の利益で動く無理強いされる案件は、全て詐欺!)

いかがでしょうか。

相手の意図を考える癖をつけることは、多くのだましの手口から身を守ってくれます。特に投資初心者の間は、「何かを勧められたら、それを無理強いされたら、その場では無条件で断る。」を徹底してください。人に何かを勧められたら、絶対に即決をしてはいけません。

皆様が、トラブルの無い豊かな生活を実現できるように応援します。